「マラガらしさ」を知るいちばんの方法は?それは、太陽に下でその暑さと匂いを感じながら街を散策すること。では「マラガの散歩道」、散策スポットをご紹介しましょう。
「マラガの散歩道」は歴史ある庶民の憩いの場であるメルセ広場から、当学院のあるこの広場から始まります。 世界に知られるマラガ出身の画家パブロ・ピカソの生家は、この一角にあります。幼いピカソが生家のバルコニーから見ていた鳩は、初期の作品でモチーフとし た鳩であり、現在では美術館となっているピカソの生家のあるこのメルセ広場では、彼が見ていた鳩が当時と変わらず飛び続けており、この広場を囲む建物のテ ラスは昼夜を問わず国際色豊かな雰囲気に満ちています。
このメルセ広場からグラナダ通りを行くと、サン・アグスティン通りには新たにオープンしたマラガ・ピカソ美術館が見えてきます。ここは世界中に3つしかないパブロ・ピカソの作品のみを扱う美術館のうちの一つです。 かつてのブエナビスタ宮殿が修復されたこの美術館の8300㎡の敷地には、常時204点のピカソ作品が展示されています。ここが「ピカソファミリーの美術 館」と呼ばれるのは、画家ピカソの「いつもマラガに」という意志を叶えるために、作品の大半がピカソ家の人々から寄付されたからなのです。
このマラガ・ピカソ美術館のすぐそばにあるのが、古いモスクの上に建てられた大聖堂(カテドラル)です。二つあるべき塔の一つが欠けているため、「マン キータ(片腕ちゃん)」とあだ名されています。ここはナショナルモニュメントに指定されており、当時の最も著名な彫刻家ペドロ・デ・メナによって作成され た、17世紀の貴重な聖歌隊席(内陣)があります。 異国情緒に富んだ美しい中央公園(パルケ・セントラル)はこのカテドラルを囲むようにあります。
そ の途中に見えてくるのは、マラガ市行政の心臓部であるネオ・バロック様式の市役所、1919年建造の建物です。その裏手にある素晴らしい庭園を通り抜ける と、8~9世紀にかけて造られた城塞(アルカサバ)があります。イスラム文化の遺産である二重の城壁に囲まれたこのアルカサバは、海からやって来る敵から マラガを守る防護壁として造られたアラブの要塞です。
そ の近くにあるのがローマ劇場(テアトロ・ロマーノ)、50年代に発掘され、現在は修復中です。この遺跡は、マラガ周辺に残されたローマ帝国の足跡を非常に よく物語っています。 アルカサバを上がり、木々に囲まれたひっそりとした小道を通り抜けると、14世紀のアラブの城があるヒブラルファロの頂上に出ます。眼下にあるのは洗練さ れた装いのパラドール、ここからは港や公園、市役所、19世紀建造と言われる闘牛場、19~20世紀のマラガでの全ての社会活動の中心であった旧ホテルミ ラマル、現在の裁判所などが見渡せる、素晴らしい眺望が広がっています。
ここでご紹介した「マラガの散歩道」は、市内中心部を周遊する観光馬車でほぼ全てのスポットを訪れることができますし、一日乗り放題の市内周遊観光二階建 てバスもありますので、歩く代わりにこれらの便を利用して、全てのモニュメントや観光スポットを訪れることもできます。